電気通信端末の適合認定等制度について

I はじめに

 電話やインターネットなどの電気通信に用いる端末機器を通信事業者のネットワークに接続する場合には、通信事業者の回線設備を損傷したり、その機能に障害を与えたり、他の利用者に迷惑を及ぼしたりすることのないよう、その端末機器が電気通信事業法に基づく技術基準に適合していることが必要です。
 通信回線への接続は、通信事業者が行っている個別の技術基準適合性の「検査」を受けることによっても可能ですが、1台ずつ手続きを行うため、煩雑となってしまいます。多種多様な端末機器を広く市場に流通させ、円滑な利用を図るため、総務大臣の登録を受けた登録認定機関による「端末機器の技術基準適合認定の制度」が設けられています。これは、端末機器の出荷・販売等に先立ち、製造業者や輸入業者の申込みを受けて登録認定機関が技術基準への適合性を審査し、適合認定・設計認証を行うことにより、認定等を受けた端末機器の自由な利用を確保するものです。
 認定等を受けて適合マークを表示している端末機器については、利用者から接続請求があった場合、通信事業者はこれを拒むことはできません。通信事業者の約款には、接続条件として利用者に認定を受けた機器の使用または検査による技術基準適合性の確認を求める条項が入れられています。
 当協会「一般財団法人 電気通信端末機器審査協会:JATE (Japan Approvals Institute for Telecommunications Equipment)」は、昭和59年3月、通信事業者、端末機器メーカ等関係者の発意に基づき財団法人として設立され、認定制度発足の昭和60年4月、電気通信事業法に基づき郵政大臣の指定を受けた「指定認定機関」として、端末機器の技術基準適合に関する認定等業務を、公正、中立な観点から行ってきました。平成15年7月、電気通信事業法及び日本電信電話株式会社等に関する法律の一部を改正する法律の公布に伴い、技術基準適合認定制度の抜本的な改正が行われました。この制度改正の施行(平成16年1月26日)にともなって、「指定認定機関」から「登録認定機関」へと移行しました。
 また、平成25年4月1日より、一般財団法人に移行しましたが、運営や体制については変更はありません。
 端末機器の技術基準適合に関する認定等の審査では電気通信事業法の下、登録認定機関が「端末機器の設計についての認証」と「端末機器技術基準適合認定」の二つの方法によって、技術基準への適合性を確認します。また、登録認定機関の認定以外に「自己確認制度」、「承認認定機関による認定制度」があります。さらに、総務大臣が定める技術基準のほかに通信事業者が総務大臣の認可を受けて定める「技術的条件」もあります。
 以下、端末機器の設計についての認証を中心に説明します。

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